2024.10.30 | 症例紹介
膝痛とは?
膝痛は中高年層に多く見られる一般的な症状であり、スポーツや日常の動作の繰り返しによる負荷、姿勢不良、筋力低下などが原因で発症することが多いです。特に変形性膝関節症(OA)や膝関節の不安定性による膝痛は、整形外科的な治療や理学療法でも改善が難しい場合があります。今回の症例報告では、慢性的な膝痛を訴える患者に対してカイロプラクティック治療を実施し、症状が改善された一例を紹介します。
来院までの経緯
本症例は59歳の女性で、右膝に慢性的な痛みを抱えており、立ち座りといった日常の動作、正座ができないといった状況でした。また、介護の仕事をされており、体の昇降の際や長時間の仕事後に痛みが強くなることが特徴でした。整形外科での画像診断によると、変形性膝関節症と診断されましたが、特に大きな関節変形はなく、主に膝周囲の筋肉や靭帯のアンバランスによる症状であると判断されました。痛み止めや物理療法を試しましたが、効果が一時的であるため、新たな治療を希望して来院されました。
検査
初診時に行ったカイロプラクティック評価では、患者の骨盤と頚椎の位置異常、右脚の短縮、股関節の可動性の低下が認められました。加えて、膝関節周囲の筋肉(大腿四頭筋、ハムストリングス、腓腹筋)の緊張の不均衡や筋力低下も確認されました。特に頚椎の歪みが全体のバランスを崩し、骨盤の前傾が作られたことによって膝関節に負担をかけ、長期間にわたって膝痛が悪化している可能性があると考えられました。
治療計画
カイロプラクティック治療は、頚椎および骨盤サブラクセーションのアジャストメントを行い、体全体のバランスを回復することを主な目的としました。
1.アジャストメント:頚椎および骨盤の矯正を週に1回の頻度で行いました。
2.筋肉バランスの調整:骨盤周囲の筋肉、特に腸腰筋の緊張を緩め、筋肉バランスを整える施術を行いました。これにより、膝関節が過度に負荷を受けないようにしました。
経過と結果
初回の治療後、「膝が軽くなった」と感じ、痛みが和らいだと報告しました。2回目の治療後には、少し痛みは残るが、正座ができるようになったことが確認され、日常生活での膝の可動域も改善されている様子でした。6回目の治療終了時には、患者は痛みを大幅に軽減したと感じ、特に階段の昇り降り時の痛みが減少したとのことでした。最終的に、痛みの自覚がほとんどない状態にまで改善しました。
考察
本症例では、カイロプラクティック治療が慢性的な膝痛に対して有効であることが示唆されました。特に、骨盤の改善が膝関節にかかる負担を軽減し、痛みが緩和されたと考えられます。膝痛に限らずですが、膝関節そのものの問題だけでなく、骨盤や頚椎といった全く関係のないと思われるところからの影響も大きいことが多いため、全体的なアプローチが必要です。今回の治療では、膝の周囲だけでなく全身を確認し、調整を行うことで関節の機能が改善され、膝への負荷が軽減されました。
整形外科では膝が痛いということで、膝周辺を動かす、回すといった「痛みのあったところ」へのアプローチを行っておりましたが、改善しなかったということは、膝の痛みの原因はそこではなかった。つまり「痛みのある所に原因があるとは限らない」というケースだったと考えます。
結論
本症例報告では、カイロプラクティック治療が慢性膝痛の症状改善に対して効果があることが示されました。特に骨盤や頚椎の矯正、膝周囲の筋肉バランス調整が、膝関節への負荷軽減につながり、症状の改善に寄与しました。今後さらに多くの症例を集め、カイロプラクティック治療が膝痛に及ぼす影響についての研究が必要です。膝痛の治療において、局所的な治療だけでなく全体の姿勢やバランスを整えるアプローチが、慢性症状の改善や再発防止に効果的であると考えられます。
ご来院ありがとうございました。
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